コジコジから学ぶ頑張らない生き方

   

summary

  • コジコジ』(COJI-COJI)とは、さくらももこさんんによる日本の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品
  • メルヘンファンタジーというだけでなく、ナンセンスギャグ的な要素やブラックなネタもあり大人からの人気も博している
  • コジコジには、人生を軽やかに生き抜くためのメソッドが詰まっている

    

みなさん、「コジコジ」をご存知でしょうか。

     

    

コジコジ』(COJI-COJI)とは、さくらももこさんんによる日本の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品です。

   

作品は知らなくても、緑の帽子をかぶった熊のような不思議な生き物、コジコジを見たことあるという方も多いのではないでしょうか。

    

コジコジの可愛らしいビジュアルから幼児向けだと思われるかもしれませんが、実はこの作品「大人メルヘン」と呼ばれるほど人生の酸いも甘いも噛み分けた作品なんです。

軽い気持ちで観てみたら思わぬ場面で刺さってしまい、ずぶずぶと沼にハマっていく大人を何人も見てきました。

    

そんな大人も子供も楽しめる「コジコジ」には、人生を軽やかに生き抜くためのメソッドが詰まっています。

本記事では、作中のコジコジのセリフから、頑張らない生き方を学んでいけたらと思います。

   

コジコジとは

   

コジコジの漫画は、1994〜1997年まで、ソニーマガジンズの『きみとぼく』にて連載されていました。アニメは1997年〜1999年までTBSテレビほかで放映。2019年には舞台化作品が上演されました。

   

不思議なことばかり起こる「メルヘンの国」を舞台に、コジコジや住人たちのほのぼのシュールな日常生活を描かれます。

   

単なるメルヘンファンタジーというだけでなく、ナンセンスギャグ的な要素やブラックなネタもあり、子供のみならず大人からの人気も博しています

   

主人公のコジコジの存在は作中屈指の謎であり、「一体なんなのか」「どこからやってきたのか」といったことは明示されません。

   

cojicojiFANBOOKコジコジのすべて』(2022 ブルーシープ 編:永岡綾)』によると、実はコジコジは「宇宙」という壮大な両親を持っているが、本人含めそのことに気付いている者はおらず、読者だけが知っている事実だということ。

飄々として掴みどころのないコジコジのセリフは、時に人をどきっとさせたり、人生の真理を考えさせたりもします。

   

コジコジから学ぶ頑張らない生き方

コジコジには、とにかく秀逸なセリフが多い

何気なく言ったコジコジのセリフが、妙に現実の自分の現状とリンクしてしまうことも。

今回は、そんなコジコジ名言集の中から、特に筆者の心に刺さったものをピックアップしてみました。

   

コジコジだよ コジコジは生まれた時からずーっと 将来もコジコジはコジコジだよ

これは、特に有名なコジコジのセリフですね。

担任の先生に「コジコジは将来何になりたいのか」と聞かれた際のコジコジの返答です。

   

「私は私」。

   

それ以外の何者でもない。

ただありのままの私であれば良いのだから、誰かと比べたり自分の存在意義を考えたりする必要はない

なんとも真理。しかし、大人になればなるほど忘れてしまう考え方かもしれません。

   

遊んで食べて寝てちゃダメ?盗みも殺しも詐欺もしてないよ。何が悪いの?

これは、コジコジがテストで-5点を取ってしまい、先生に呼び出された際の言葉です。

   

勉強してこなかったことを咎める先生に対し、コジコジは上記のセリフを言い放ちます。

何かに失敗したり、周囲と比べて結果が劣っていて落ち込んだとき、自己肯定感を上げてくれるセリフですね。

   

良い結果が出なくても、突き詰めれば殺しや詐欺をしているわけではないんだからもう少し物事を楽に考えよう、と思わせてくれます。

ちなみに、-5点なんてどうすれば取れるんだろうと疑問に思った方もいるでしょう。

それはぜひ本編をご覧になって確かめてみてください。なかなか納得の理由です。

   

飛べないときはゆっくり休めばいいじゃん。仕方ないよ、飛べないんだからさ   

これは、毎年皆に楽しいお正月を運ぶお正月の精「正月くん」が、スランプで飛べなくなってしまったときの励ましのセリフです。

   

お正月を運ぶために世界を飛び回っていた正月くん。それが自分のアイディンティティであり、存在意義だと思っていたのに、それすらできなくなってしまった自分を嘆きます。

   

そんな正月くんの心情を知ってか知らずか、コジコジは上記のセリフで彼を励ますわけですね。

   

これは現実世界を生きるうえでも、とても大切にしたい考え方かもしれません。

   

生きていれば突然、自分自身が誇りに思っていた自分の仕事や特技ができなくなってしまうこともある。それをスランプとか、スポーツ界ではイップスと呼んだりします。

そんなとき、「まあいっか。できないものはできないんだからゆっくり休もう」と思えるか思えないかで、ずいぶん状況は変わってくると思うんです。

   

現に正月くんもコジコジの言葉を受け、気持ちが楽になった途端飛べるようになりました。

   

でも生きているよ 吾作くんは生きている 息を吸って吐くっ! それが生きる道

こちらもコジコジらしい、真理めいた名言です。

自身の容姿に自信が持てず落ち込む天使の吾作くんに対しての言葉なのですが、それを聞いたクラスメートの次郎くんやゾラは「そりゃあそうだけど」といった具合に困惑します。

   

困惑する気持ちも分かります。

   

このコジコジのセリフは、あまりにも当たり前のことだから。

吾作くんがどれほど自分の容姿に絶望していようとも、吾作くんは生きている。息を吸って吐きながら、生きている。

   

だからなに? 生きているからといって、吾作くんの苦しみが消えるわけではないじゃないか。

私も、初見ではそう思いました。

   

しかし、ふとした瞬間、この言葉を思い出すようになったのです。

自分を好きでいられなくなったとき。劣等感に苛まれたとき。

そんなときふと、「ああでも、私って今息を吸って吐いて、生きているよなあ」。

   

そして実際にゆっくり息を吸って、吐いてみる。うん。空気が美味しい。私は健康だ。

   

なんだかそれだけで、少し嬉しい感じがする。心の内側があったかくなっていく気がするのです。

この現象、いまだにうまく説明できないんですが…コジコジ現象とでも名付けようかな。

   

ここに存在しているだけでちょっと嬉しい

というのはコジコジイズムの根源ともいえるかもしれません。

   

知らない場所だから面白いんだよ コジコジは毎日知らない場所へ行くよ それが好きなんだ

これは、海水浴に来たコジコジが、海で出会ったタコくんの弟に言った言葉です。

   

海の奥底に突き進んでいくコジコジに、怖いと泣き言を言うタコくんの弟。コジコジはそんなタコくんの弟を励ますわけでもなく、純粋になんで怖いんだろうと不思議がった様子。そしてこの言葉。

   

すごく好きな言葉です。

   

大人になればなるほど、忘れていってしまうような言葉です。「センスオブワンダー」そのもの。

コジコジを見ていると、知らない場所へ行くことのときめきを忘れてはいけないなあとしみじみ思います。

   

みんな役に立っているんだね、コジコジは役に立ったことないよ

これは、「自分は何の役にも立っていない」と嘆くカエルのトミーに対し、コジコジが言った言葉です。

面白いのが、この言葉に対し、その場の誰もフォローができなかったということ(笑)。誰も、コジコジが何の役に立っているか言うことができなかったんですね。

   

だけど、コジコジはそんな自分をトミーのように悲観したりしません。

自分が役に立たないということに、何も感じていないのです。

   

ただここにいることだけを喜び、楽しく生きているコジコジの辞書には「劣等感」「存在意義」などの言葉は存在していないのでしょう。

人間というのは、少なからず誰かの役に立っていることを実感することで、自己肯定感を維持し続けられる生き物です。

   

しかしその分、自分が役立たずなのではないかと思ってしまった暁にはとんとへこんで、場合によってはしばらく再起不能になってしまう。

   

諸刃の刃です。自分を成り立たせるものは、自分を崩壊させもする。

最初から人の役に立つことに執着していないコジコジの生き方は自由で、いつも幸福そうです。

   

誰もがコジコジに憧れるけど、しかしコジコジにはなれない。いつまで経っても人と比べてしまうし、劣等感は消えない。存在意義を追い求めてしまう。

悲しいけど、それが人間なのかもしれませんね。

   

まとめ

以上、コジコジの名言から、頑張らない生き方について考えてみました。

   

いかがだったでしょうか。

私はこの記事を書いていて、改めてコジコジという存在に自分がどれほど助けられていたのか実感しました。思えば、周りと比べて落ち込んでしまったり、自分の無能さに打ちひしがれたりしたとき、コジコジが「仕方ないよ。それよりおまんじゅう食べる?」と言ってくれていたような気がします。

   

私が古くから信仰している「しんどい時には甘いものを食べれば良い」という世紀の大発見は、コジコジからの教えです。

   

作中で、コジコジは自由自在に浮遊し、さまざまな国へ、まるでコンビニに寄るような感覚でふらっと訪れます。もしかしたら、私たちの心の中も行き来可能なのでは? そんなことを思わずにはいられません。

   

ちょっと考えすぎてしまったり、元気をなくしてしまっている人びとが、コジコジによって救われますように。

   

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

   

<書いた人>  

miki/ワーケーションライター。東京(の端)に生まれ育ち、日々ワーケーションを実施している。特に好きな作業場所はカフェ

参考;cojicojiFANBOOKコジコジのすべて(2022 ブルーシープ 編:永岡綾)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です