ワーケーション・ホカンスに勤しむ皆さん。
空間ごと楽しめる一風変わったホテルに泊まってみたくはないですか?
というわけで本日ご紹介するのは、泊まれるアート「BnA_WALL」。
東京日本橋にある「BnA HOTEL」が運営するアートホテルで、展示スペースや巨大壁画・カフェ・バーも幅広く楽しめます。
さらに全客室がアート作品となっており、床・壁・天井から家具に至るまで、アーティストと共にこだわり抜いて作り上げています。まさに「アートに泊まる」。
本記事では実際に泊まった筆者の滞在記も載せているので、ぜひご参考にしてください!
BnA_WALL
まずはオルタナティブホテル「BnA_WALL」がどのような場所なのか、詳しく見ていきましょう。
変化を楽しむホテル
ホテルのエントランスを開けると、まず目に飛び込んでくるのがBnA_WALLを象徴する巨大壁画。
壁画はアーティストによって日々描き変えられていき、タイミングが合えば1階ラウンジよりアーティストによる壁画制作シーンを見ることもできます。
作品の展示だけではなく、アートホテルそのものが変化していく過程を楽しむことができるのが、BnA_WALL最大のポイントといえるでしょう。
Art Rooms
BnA HOTELでは、完成した客室に作品を展示するのではなく、客室の空間そのものを一からアーティストと制作しています。
床・壁・天井の形や素材、色の選定から、展示する作品・家具・小物など、細部までアーティストと世界観を作り上げていくため、完成まで2年を要する壮大なアートプロジェクトとなっています。
そのため、一つひとつのアートルームはアーティストごとに全く異なります。つまり、何度利用してもまた違った体験を楽しめるというわけですね。
宿泊費の一部はアートルームを制作したアーティストに還元。「パトロンシステム」と呼ばれています。泊まることで製作者へのお礼や応援ができるのも嬉しいシステムです。
Mural&Factory
BnA_WALでは、施設全体が制作場としてアーティスト達へ開放しています。
ロビーから吹き抜けを通し見下ろせる地下のアートスタジオでは、さまざまなアーティストが入れ替わりで大きな壁画を描き続けるアートプロジェクトをはじめ、多くのコミッションワークの制作場を見学できるようになっています。
地下ファクトリーは、アート制作や展示のスペースだけでなく、プロダクト開発や新規事業開発のラボとして、実験や交流の場にもなっています。
クリエイティビティを引き出すワークショップも不定期で開催しています。興味がある方は、参加したいイベントに合わせて宿泊して見るのも良いでしょう。
Food&Drinks
BnA_WALL内には、カフェ・バー・ラウンジとして使える「HOTEL STAND」が併設されています。
スタンドには、日々さまざまな方が訪れます。
宿泊者が煎れたてのコーヒーを飲みにくることもあれば、近隣住人やサラリーマンが昼食事にランチを食べにくることもあります。もちろん館内で壁画を制作するアーティストが作業の合間に休憩しにくることも。
さまざまなバックグラウンとの人間が集まり、ポジティブな輪ができあがる。BnA_WALLのスタンドはそんな場所なのでしょう。
Access
〒103-0011
東京都中央区日本橋大伝馬町1−1
神田駅から徒歩12分/小伝馬町駅から徒歩3分
電話番号
(+81) 03 5962 3958
お問い合わせ
info@bnawall.com
チャックイン/チェックアウト
Check In 15:00- / Check Out 11:00
客室数
26 Art Rooms
駐車場
なし
Let’s stay
それでは、さっそくBnA_WALLへ泊まってみましょう! 筆者、ずっとここに来たかった。本当に今日は楽しなんです…! うふふ!
神田駅から15分ほど歩くと「酒飯珈琲」と非常に用途のわかりやすい提灯が見えます。
「お、ここかあ」とすぐに見つけることができました。だってこの場所だけ光っていて、何かが違うんです。
ちなみにホテルスタンドの入り口が、ホテルのエントランスにもなっています。
エントランスに入ると、まるで現代美術館のような光景が飛び込んできます。
吹き抜けの窓にはアーティストによる巨大壁画が展示されており、奥のバーは賑わっています。
こりゃあ楽しい滞在になりそうだ…と胸踊らざるを得ません。
こちらの巨大壁画は、幸運にも昨日完成したばかりのできたてほやほやとのこと。
製作者は櫻井万里明さん(@eazy_happy_step)。多摩美大学出身のアーティストで、壁画制作やアパレルブランドとのコラボなどを手がけています。
制作過程も一般公開されていたようです。かっ、こいいなあ…!
多大なエネルギーを纏った、できたての作品を拝めたこと、とても嬉しく思いました。櫻井さん、お疲れ様でした!!
さて、ひとしきりロビーのアートを堪能したところで、いよいよ客室へ。
私が今回泊まる部屋はKonelによる「 VIsible Ambiance」。
Konelは、テクノロジスト、デザイナー、音楽家、研究者、コンセプターなど、異分野のメンバーが集まるクリエイティブスタジオ。
これまでにない体験ができそうな予感…!
いざ入室…!
…あれ?
意外とシンプルです。
ベットのランプはすごく可愛い。しかしシンプル。
と思いきや! やや! 天井に何かあります。
※わざとらしい実況に感じるかもしれせんが、リアルです。実際このような反応でした笑
なんと! 天井にスクリーンの仕掛けが施されております。
なんなんだこれは…
スクリーンの映像はしきりに変化しますが、よく見ると右側のプレートが移動小型カメラによって映し出されているようです。
BnA_WALL公式サイトの解説を見てみましょう。
絵画を構成する色彩も、よりミクロな視点にフォーカスすると様々な物質で構成されており、肉眼では捉えられないその一粒一粒は、美しく豊かな表情で輝いています。
BnA_WALL 公式サイトより
この部屋では、その極小に潜む深遠な世界と対峙して過ごす一晩をお楽しみいただけます。
研究室を想起させるこの部屋の天井には、一枚の絵画、モニタ、そしてマイクロスコープが設置されており、Konelが独自に開発したマイクロスコープが自動的に絵の表面を移動します。
鑑賞者はベッドに寝転びながら、原画とモニタに映し出されたマイクロスコープの世界を同時に鑑賞します。
また別に用意されたデスクでは、顕微鏡で様々なプレパラートを鑑賞することもできます。
この部屋に宿泊すると、チェックアウト後にもきっと見えないものの気配を感じる印象的な体験が待っていることでしょう。
映し出されたプレートは、人間が肉眼では捉えられないミクロな世界。
普段感じることのないミクロと対峙してみましょう、という展示なのですね。
そしてカメラだと思っていたものは、実験などでよく使われるマイクロスコープだったのですね。
この客室自体が研究室のようなコンセプトになっていると…。はあ…面白い。
そして客室の奥には、研究室のようなデスクが設置されています!
まるで研究者になったかの気分をふんだんに味わえる仕様、あまりの非日常間にわくわくが止まりません…
このように、顕微鏡でプレパラートをじっくり観察することができます。
「風」ではなく、実際に研究ができるデスクを作ってしまうところに、プロの遊び心を感じます。
コンクリートやスポンジ、ガラスビーズなどさまざまな素材な素材が用意されています。
どの素材も、普段はあまり気に留めないものばかり。
でも一度気にしてみると、なかなかに奥深く繊細な世界が広がっている。
たまにはこういう時間を過ごしてみるのも良いなあ、なんて思いました。
バスルームも見ていきましょう。
広々としていてとても綺麗。シックな色合いが落ち着きます。
シャワールームです。
一面モノトーンで、シンプルながら洗練された印象です。
シャワーという行為はなかなかに生活感に溢れたものですが、こんなシャワールームだったら非日常の延長みたいに捉えられそうです。
パジャマが用意されているのも嬉しい!
ちなみに右の小袋には電源アダプタが入っておりました。
冷蔵庫にはお洒落な瓶に入った富士ミネラルウォーターも入ってました! これ、地味にすごくテンション上がっちゃったポイントです。
一通り見物を終え、眠る準備に入ります。
部屋を一望するとこんな感じ。
めっっっちゃ、ロマンありませんか? yonawoのMVみたいじゃありませんか。
天井の非日常感、ランプのムーディな灯り。
いやこんな場所が家、だったら! って思わず叫んじゃいました。
本気でここに暮らしたい。
そう思わせるホテルは決まって魅力的なんです。
ベッドに入り、ぼうっとスクリーンを眺めてみると、新たな発見が。
女性の背中になっているんですね。
ちょっとどきっとする仕掛けです。
ちなみにスクリーンは、電源オフできます。
眠る時は消せますね。
おやすみなさい。
MORNING
おはようございます。良い朝です。
素晴らしい体験をさせてもらい、マスクの下はにっこにこでホテルを後にしました。
こんな素敵なホテルに泊まれたんだし、そのまま帰るのは侘しいなあ。ということで、優雅なモーニングを取ることに。
米本珈琲 神田店。
朝のサンドウィッチセット。
ツナサンドとホットミルクティー。
ゆったりと過ぎる時間。
最高でした。
口コミを見ると、「下町のスタバ」と書かれておりました。
確かに、喫茶店にしては珍しくセルフサービス。ドリンクメニューが豊富。居心地も良かったです。
昼時になり、気が付いたら店内は近隣にお勤めのサラリーマンさんで溢れていました。
ちょっと場違いかな、なんて思いそそくさ退散。
とても素敵なお店でした。
米本珈琲 神田店
東京メトロ東西線 竹橋駅/徒歩7分
都営地下鉄三田線 神保町駅/徒歩7分
都営地下鉄新宿線、東京メトロ半蔵門線 神保町駅/徒歩9分
営業時間
[月~金]6:00~20:30
定休日
土曜日、日曜日、祝日
※営業時間・定休日は記載と異なる場合があるので、心配な方は店舗に確認しましょう
Summary
以上、BnA_WALLの滞在レポートでした。
普段ホテルって、観光やワーケーションの拠点として利用することがほとんどですよね。
しかしBnA_WALLは、この空間に訪れること自体が目的にできるほど、一つのエンターテイメントとして成立している。その事実にとても驚きました。
客室ごとに展示も違うので、何回来ても楽しめる。客室が26室あるので、最低でも26回は楽しめます。
人生で同じホテルに26回泊まることなんて、まずないじゃないですか。ビジネスホテルならまだしも。
しかしここには、余裕で26 回来れちゃいうだろうなという魔力がある。
宿泊者にとってそういうロビーや客室の空間に価値が置かれるホテルって、なかなかないなと。
これまでにない胸躍る体験ができたホテルでした。初めての滞在でしたが、もう大好きになっちゃいました。
絶対にまた来たいし、なんならよく美術館に行くアート好きの友達なんかと一緒に泊まりたいと思いました。
朝から晩までホテルに篭って、ぼうっと展示を眺めて気付いたことを語り合う。そんな滞在、最高じゃないですか…
ぜひ皆さんも、泊まれるミュージアムでアートに触れる至福の時間を過ごしてはいかがでしょうか?
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
<書いた人>
miki/ワーケーションライター。東京(の端)と地方を行き来する2拠点生活。無類のカフェ好き。お問い合わせはこちら→mikiworkation@gmail.com