summary
- ワーケーションとは「ワーク」「とバケーション」を組み合わせた造語
- ワーケーションをすることにより「生産性向上」「交流の輪が広がる」などメリットがある
- ワーケーションひ必要なものは「Wi-Fi環境」「パソコン」「デスクと椅子」「宿泊場所」「資金」
- リモートワーク経験者のなかでワーケーションをしたことがある人は約4割
- ワーケーション時の平均労働時間は5.4時間
新たな時代の働き方、ワーケーションをご存知でしょうか。
昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の影響で働き方は大きく変わりつつあります。そのなかでも、リモートワークへ移行となった方は多いのではないでしょうか。
出社しない働き方が広がるなか、ワーケーションが注目され始めています。
「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語だと言われるワーケーションですが、実際はどんな働き方なのでしょうか。
本記事では、ワーケーションの意味や働き方、メリットなどについてご紹介します。
ワーケーションが気になっている方や、自身の働き方を見直したいという人は、ぜひご参考にしてみてください。
Contents
ワーケーションの定義
一般社団法人日本テレワーク協会(以下JTA)によると、ワーケーションの定義を「休暇」とする認識もあれば、「チーム力や創造力を高める働き方」、「余暇を楽しみつつ仕事をすること」といった考え方もあるようです。
JTAでは、「長めに休暇が取れる」、「仕事の成果が上がる」など、運用次第で生活と仕事の両面に好影響をもたらすものという認識が共有されることを期待されているようです。
つまりワーケーションは、観光地やホテルなど、自宅以外の非日常を味わえる場所でリフレッシュし、休暇を楽しみつつリモートワークを行う新たなワークスタイルだといえるでしょう。
ワーケーションのメリット
それでは、ワーケーションにはどのような嬉しい効果があるのか見ていきましょう。
生産性が上がる
ワーケーションをすることで、生産性が高まる効果が期待できます。
普段とは違う観光地や自然豊かな場所でリラックしながら仕事に向き合うことで、集中力が上がるだけでなく、普段では思い付かないようなアイディアが飛び出すこともあるでしょう。
脳が活性化することで生産性や意欲が上がるのは、ワーケーションならではのメリットといえます。
観光地に長期滞在できる
ワーケーションをすることで、自分が行きたかった観光地や場所に滞在できるメリットがあります。
業務が忙しかったりプロジェクトに追われていたりすると、なかなか旅行に行きづらいでしょう。しかしワーケーションなら、仕事をしながら旅先に滞在できます。
自分の行きたかった場所で仕事ができ、なおかつ生産性もアップするとなれば、今より仕事が好きになれるなんて嬉しい効果もあるのではないでしょうか。
友達が増える
ワーケーションをしていると、旅先で友達や仕事仲間ができたりします。
普通に仕事をしているだけでは出会えなかった職種の人と交流できることもあるでしょう。それは大きな刺激にもなりますし、おすすめの滞在先を教えてもらったりと有意義な情報交換もできます。
旅先に仕事を頑張っている仲間がいることがモチベーションにつながる場合もあるでしょう。
ワーケーションに対する国の取り組み
リモートワークやワーケーションが普及し、国や政府もその施策に力を入れています。
環境省は、ワーケーションの取り組みに補助金の支給を決定。内閣府や観光庁など、国をあげてワーケーション普及に動いています。
地方でのワーケーションで気になるのがWi-Fi環境ですが、旅館やキャンプ場など、Wi-Fi設備がない場所でもワーケーションができるよう、Wi-Fi環境やコワーキングスペースの設備などの支援も行われているようです。
最近では、「SDGsでワーケーション」という言葉も目にします。
また、JTAでは、地域別の補助金制度などをまとめていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
ワーケーションに必要なあれこれ
ワーケーションをする場合、Wi-Fi環境や宿泊場所などが必要になります。備えあれば憂いなし。ワーケーションをする前に、できる限りの準備は整えておきましょう。
Wi-Fi環境
ワーケーションをする際は、まずWi-Fi環境のチェックを行いましょう。いくら素敵な場所でも、Wi-Fiが使えなければネットに接続できず、仕事に支障が出てしまいます(なんとも現代ですねえ)。
ポケットWiFiでも代替できますが、物によってはネット接続がしにくいことも。現に私もポケットWi-Fiユーザーですが、電波が届かない場所では使えないことも多々ありました。そのため、ポケットWiFi頼みにはせず、しっかりその場所にWi-Fi環境があるのか確認するようにしましょう。
パソコン
仕事をするうえで必要な道具は忘れずに持っていきましょう。特にパソコンは必須なのではないでしょうか。
会社で特に規定などなければ、軽めのパソコンが持ち運び便利です。
ワーケーションでは仕事終わりに観光して帰るなんてこともざらにあるので、重いパソコンは観光モードの浮かれた心に錘のようにのしかかってきます。どうしても重いパソコンを持ち運びしないといけない場合、圧倒的にリュックがおすすめです。
机や椅子
快適な仕事環境の整備は、業務パフォーマンスに如実に響きます。自分が快適に仕事ができる机や椅子があるのかもチェックして奥に越したことはありません。
そのため、自分がどんな場所で仕事をしやすいのか知っておくことも大切です。
ちなみに私は旅館の座椅子と低い机ではなかなか集中して業務ができず、さらには美味しそうなお茶菓子まで置いてあるものですから、どうにも旅気分が抜けなかったですね。もちろんこれは、人それぞれです。
宿泊場所
もちろん、宿泊場所はしっかり確保しましょう。野宿なんてことになったら、疲労で業務パフォーマンスは下がり続ける一方です。
「仕事はコワーキングスペースやカフェを利用する」という方はかまいませんが、宿泊場所でも仕事をしたいという方は、仕事ができる環境がしっかり整っているか事前によく確認しておきましょう。先述したように、WiFiと快適な椅子・机は大切です。
資金
ワーケーションには、ある程度お金が必要です。
たとえば観光地でワーケーションを行う場合、その土地の美味しいものを食べたり、有名な宿に泊まったりすることもありますよね。
仕事と旅行を両立するのがワーケーションの醍醐味なので、あまり惜しみ過ぎずお金を使うのも楽しむ秘訣。後悔しないためにも、資金はしっかり用意しておきましょう。
地域情報
地域情報を制する者は、ワーケーションを制する。その土地の美味しいものや楽しめる穴場のスポットなどを知っているだけで、ワーケーションの質はグッと上がります。
まずはどの土地の情報が載った観光ブックやサイトなどを、よくチェックしておきましょう。宿泊施設でおすすめの観光場所や飲食店を聞くのもよし。飲食店などで店員さんに聞いてみるのもありです。(しかし、人見知りの私にはできません。)
ワーケーションの諸データ
ここで、ワーケーションの普及率や主な滞在先などのデータを見てみましょう。
普及率
株式会社クロス・マーケティングと山梨大学生命環境学部地域社会システム学科が2021年3月に行った調査によると、リモートワークを経験したことがある人(経験率は全体の39.6%)のうち、直近1年以内にリゾートやホテルなどで「ワーケーション」を経験している人は6.6%とのこと。
滞在場所
また、ワーケーション先として最も多かったのは「自宅や会社から離れた観光地(ホテル・旅館・キャンプ場等)」。なかでも「ビジネスホテル・リゾートホテル・シティホテル」といった、ホテルを実施場所に選んでいる人が多いようです。
働き方と平均労働時間
そのほか、ワーケーション先での働き方は、「仕事中心に過ごし、業務時間外であっても遊びや観光をしない派」と、「仕事中心だが、業務時間外では遊びや観光をする」が同程度。一日当たりの平均労働時間は5.4hと、通常の勤務時間よりやや短い結果に。また、
同行者の有無
さらにワーケーション実施者の約半数が「一人旅」と回答しており、同行者がいる場合は4人に1人が「配偶者や恋人とのふたり旅」だということ。
まとめ
- リモートワーク経験者のうち6.6%がワーケーションを体験
- 実施場所で多いのはホテル
- 仕事中心の方や、業務時間外では観光をする人など過ごし方はさまざま
- 平均労働時間が5.4h
- 一人旅の方が多い
おわりに
以上、ワーケーションに関するあれこれをご紹介しました。
考え方はそれぞれですが、リモートワーク経験者は全体の39.6%(対象者は男女20~64歳の就業者76,834人)のうち、ワーケーション経験者の割合が6.6%というのはやや少ないように感じます。
私自身も在宅ワークで、頻繁にワーケーションを行います。
家で仕事をしていた時は、集中力が上がらず、生産性は分かりやすく落ちていました。自分の好きな場所や興味のある観光地に赴いて仕事をすることで、心が軽くなり、柔軟なアイディアが出るように。
ワーケーションを通して出会った方もいて、仕事以外のつながりも増えました。
頻繁にワーケーションをしていると「あ、お金を貯めなきゃなあ」なんて思う時もありますが、人生の満足度は間違いなく上がったと感じます。
今後、さらにワーケーションが広まり、自由な働き方を楽しむポジティブな連鎖が広がると良いなと思っています。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
参考:ワーケーションに関する調査(2021年3月)・ワーケーションの定義
<書いた人>
miki/ワーケーションライター。東京(の端)に生まれ育ち、日々ワーケーションを実施している。特に好きな作業場所はカフェ。